うつ症状の家族に対する接し方、言葉のかけ方

うつ症状の家族に対する接し方、言葉のかけ方
うつの症状というのは、意欲が著しく減衰して何をするにも憂うつな気分になる精神的症状を言います。この精神的な症状が発展すると頭痛やめまい、吐き気などの症状がでてきたり、自殺願望に発展することもあります。うつ症状というのは、真面目な人や責任感が強い人に多く現れる傾向があります。

と言うのも、うつ症状は、理性をつかさどる脳と意欲をコントロールする心のパワーバランスが崩れてしまうことが要因になっているためです。頭ではこうしなくてはいけないと強く思う一方で心がそれに追いつかず、人間が生きる上で必要な意欲が機能しなくなってしまうのです。

家族がうつ症状になったら、接し方や言葉のかけ方に十分注意する必要がありますよね。そこで、うつ症状の家族に対する最適な接し方について6つのポイントをお伝えします。



 

うつ症状の家族に対する接し方、
言葉のかけ方

 

理屈っぽい激励の言葉はNG


人は落ち込んでいる人を励ますときや激励するときに「世の中にはもっと苦しい境遇にいる人がいる」と、他を下げることで当人を奮起させるという方法をとることがあります。しかし、うつ症状の人にとってはこの方法はむしろ逆効果になります。

すでに理性が心に打ち勝っている状態でうつ症状になっているのですから、さらにそこに理性で理解すべきような理屈を説いてもさらに苦しい状態に追い込んでしまうことになるのです。うつ症状は軽い心の病だと思わずに心から心配をしてあげるようなふるまいをしなくてはいけません。

 

励ましの言葉はNG


落ち込んでいる人には「がんばってね」とか「ファイト!」などの励ましの言葉をかけますよね。しかし、うつ症状の人にはこのような励ましの言葉はかけてはいけません。当人は、頑張って仕事や勉強などに取り組んだ結果、うつ症状になってしまったのですから、これ以上がんばれというのは酷なことなのです。

大事な仕事を控えている父親や夫がうつ症状になっているのであれば、家を出るときに「がんばってね!」などと軽い言葉をかけないように気を付けなければいけません。

 

共感の言葉は慎重にかける


これまでお伝えした通り、うつ症状の家族には励ましの言葉や激励の言葉をかけてはいけないということが重要です。相手に寄り添う気持ちを持って接する必要があるのですが、軽々しく共感の言葉かけることも厳禁です。

例えば、社会人として働いたことがない学生の娘から「大変だよね、わかる」と言われても、父親としては「わかるはずない」「理解できるはずがない」と思ってしまいます。うつ症状の家族には、本当に共感できる時、または共感できることだけに共感の言葉をかけるべきなのです。

 

休養を勧める


うつ症状の人がうつに追い込まれるに至ってしまうのは、何かをしなくてはいけないという義務感に「本当は逃げたい」という心の部分が追い付かないということが原因になっています。そこで、その原因になっている義務を本人から取り除いてあげることは効果的です。

家族であれば「会社を辞めて実家に帰って少しのんびりしたら?」とか「思い切って休職してもいいよ」と声をかけてあげると本人の気持ちはだいぶ軽くなります。

 

安心感を与える


うつ症状の人は不安な気持ちに苛まれていて不安定な状態にいます。そこで最も大切なのが安心感です。休養を取ってもいいということを伝えて安堵させることも効果的ですし、いつか絶対に楽しく日々を過ごせる時がやってくるということを信じさせることも効果的です。

「人生にはいい時も悪い時もある。永遠にこの悪い状態が続くわけではない。」と楽観的な考え方を伝えると、本人は「なんとかなる」という考えが徐々に芽生えます。今はこんなにつらい状態だけれど、この状態から脱するためには何をすればよいか、と前に進む方向に思考が変わっていくのです。

 

感謝の言葉や褒め言葉


うつ症状の人は、何をするにも意欲がなくやる気がでません。自信を失って、自分なんかいなくてもいいんだとか、この世から消えてしまいたいと思うようになります。そのような思考になってしまうと、自殺を図ろうとしてしまうのです。

自殺に至らしめないためには、家族はうつ症状の本人に対して存在価値があるということを自覚させてあげなくてはいけないのです。「お父さんがいてくれるだけでありがたい」とか「いつも子育てに協力してくれてありがとう、なかなかこんなに素敵な旦那さんはいないよ」など、感謝や褒め言葉をかけてあげるのです。

わざとらしく言葉をかけるとプレッシャーになってしまうこともあるため、本人の反応を見ながら徐々に自身がつくような言葉をかけていくことがポイントです。

 

如何でしたでしょうか。

うつ症状の家族に対する適切な接し方は、ただ落ち込んでいる人に対する接し方とはまったく異なるため、これまでうつ症状の人と接することがなかった人は、これまでの経験とは切り離して考える必要があります。軽率な言葉をかけることで、逆に本人にプレッシャーを与えて追い込んでしまうこともあるためです。

家族は人が最も安心できる場所でなくてはいけません。会社や学校でストレスを与えられたとき、逃げ場がないと人は壊れてしまうためです。その家族に求められることは、うつ症状の家族に対して「安心感」を与えることです。

こうしなくてはいけない、こうあるべきだという責任感や義務感から本人を開放してあげることで、うつ症状の原因が解消され、徐々に症状が回復していくのです。焦らず、期限を決めず、本人のペースに合わせてきめ細やかな接し方を心がけることが大事なのです。

 

まとめ

うつ症状の家族に対する適切な接し方とは

・うつ症状を軽視する言葉は絶対に言ってはいけない
・「頑張って」などの励ましの言葉をかけてはいけない
・「つらいよね」という軽はずみな共感の言葉も逆効果になる
・「休んでいいんだよ」と休養をとることを勧める
・「いつかまた楽しい日が来る」「必ず治る」と安心感を与える
・感謝の言葉や褒め言葉は症状を軽くする力になる