チームでプロジェクトを成功させるためにはリーダーが必要ですよね。一人一人のメンバーはいくら同じチーム内で職業として役目についていたとしても、環境も、個性も考え方も全く違いますので、個人個人にどんな才能や努力があろうと、それぞれの役割をまとめて目標へと導く役目がいなくては、まるでバラバラに散った桜の花びらのようです。
また、同じ努力や推進力と言っても、進め方や方向、オペレーションが違うだけで結果は大きく異なりますよね。それぞれに個性があるからこそ、組み合わせ方や方向付けでその能力が最大限に発揮できるもの。
リーダーが強引でなくともさり気なく道を示唆してあげるだけで、チームのプロジェクトを成功へと導くことができます。そこで、ここではプロジェクトを成功に導くリーダーシップ術を7つお伝えします。
プロジェクトを成功に導く
リーダーシップ術
個々がスムーズに意見を出し合える環境づくりをしましょう
日本人にありがちなのが、自分に自信が無く会議や公の場で意見を出せない事。中には内々に話を進めてしまう人もでてきてしまう恐れがあり、そうなるとプロジェクトも方向性を見失ってしまうもの。
意見が出せない原因は、間違った意見かもしれないという不安から。素晴らしいアイディアであればリーダーがまとめる必要は無く、自然とチーム全体で目指すことが出来るもの。大切なのは、どのように意見を引き出すかの雰囲気づくりです。
会議で指名されて意見を言うのは気が引けるのなら、事前に匿名のアンケートとして意見を募集したり、会議中にフセンに意見を集めてホワイトボードに貼りだして共有するなどの方法をとりましょう。誰の意見だかわからなくすることでアイディアにたいして率直に語り合うこともできます。
適材適所をすべく、どんなタイプか見分けましょう
能力や個性など似ているタイプだとしても、やはりそれぞれ違ったものをもっているのが個人ですよね。プロジェクトを成功させるためには個々の長所を最大限に生かす役割配置が必要となります。たとえば、処理能力については継次処理型と同時処理型の二つにわけることができます。
継次処理型は一つ一つの作業を集中しておこなうタイプ。同時処理型は同時にいくつかの作業を進めていくタイプです。それぞれの仕事内容を良く観察して、業務に応じてどちらのタイプかを任せることができればプロジェクトも成功へとぐっと近づくでしょう。
記憶にたよりすぎず、記録を大切にして情報共有を
プロジェクトを成功させるためには、情報共有が不可欠。ですが、複雑でボリュームのある業務の中で対応し続けていると業務内容が個人の記憶に頼ったものになってしまう恐れがあります。
業務内容は全体で共有していかないと、プロジェクトの目標へと繋がっていかないため、この部分こそがリーダーシップの発揮どころになります。
成功させるためには、より的確な記録づくりに注意を置いて、参考になるデータを集め、それを元にプランニングしたり、前提条件は細部にまで正確さや整合性にこだわる姿勢を周囲にアピールし、記録の大切さを理解してもらいましょう。
全体的な指針は強引でも、細かい部分でフォローすればよい
リーダーシップの発揮といっても、リーダーが相手の顔色を伺ってばかりでは周囲もどのように進んでよいのか見失ってしまうもの。大筋で目標を理解してもらえているのであれば、多少強引かなと感じるくらいの方がついて行く側は楽になるもの。
最初から部下の顔色を伺うのではなく、リーダーシップを発揮した上で、フォローは個人レベルでしてあげたほうが、より安心感がもてるでしょう。
また、目標は常に振り返り、個人個人に作業の目的は何なのかを考えさせることで作業が横道にそれることを防ぎましょう。
客観的な視点をもって個人差を埋めましょう
すべての人間に同じ難易度で同じ量の仕事をさせるということは不可能です。100パーセントの力で頑張れる人もいれば、60パーセントや40パーセント程度でないと頑張れない人もいます。
上司の立場でいると「平等に」という言葉に囚われがちですが、能力や成果に平等はありません。それぞれのレベルでの頑張りをしっかり評価して、お互いが客観的な視点で全体を見れるようにすれば、個人差はチームとしてフォローし合えるようになります。
会議や意見交換の場で、全員で客観的にチームを評価する機会をもつようにしましょう。
競争より協力の力を信じましょう
プロジェクトの成功にばかり気持ちが置かれていると、ついついチーム内で競争意識をもたせて起爆剤とさせようとしてしまいます。競争意識は、目的がハッキリしていて成果を伸ばすタイプの仕事には向いているかもしれませんが、プロジェクトの成功には足手まといになってしまうことも。
競争よりも協力を大切にしてチームの一体感を出しましょう。競争意識を捨てさせるためにリーダーとしてできることは、「仕事が早い」や「たくさんこなしている」などの表面的なことで褒めないこと。
内容について「○○が良い」「この意見がすばらしい」など個性を褒めるような視点でいることが大切です。
伝わらない言葉を伝えるには、「背中を見せること」
細かく指示をしたり、対話を重ねたりしても仕事上の意見や上司の目的については、いまいち伝わらないことも多くあります。そんな場合は一旦問題から離れて、ゴチャゴチャと気をまわす事よりも背中を見せることを大切にしましょう。
個人個人は能力や環境、利害関係や立場などが複雑に作用しているためどうしてもチーム全体のことよりも個人の感情を優先しがち。対話が全てを解決できるわけではなく、時には時間がかかることも心得ておきましょう。
チームの全員がプロジェクト成功のために信頼関係を築き、協力し合える環境に自然になってくれればベストですが、「チーム」である前に「個人」であることを忘れてはいけません。やはり全てが個人ベースで考えられていることを前提に、チームとしてのあり方、方向性はリーダーが示していくのです。
具体的な指示で要領を得る人間もいれば、全体の雰囲気やモチベーションから次第に波に乗れるタイプもいます。速いスピードで波にのる人もいれば、ゆっくり熟考してからでないと気持ち悪いと出来ない人もいますよね。リーダーとして、業務に熟練しているからこそ、今度は広い視野で、個人個人の働き振りを優先して見るようにし、人間関係で揉まれましょう。
何かをなしとげようとしているのだから、痛みや苦痛があるのはあたりまえ。衝突したり、意見の相違があるのは個人が個性的であるからこそです。その個性を最大限に活用しまとめあげることができれば、必ずプロジェクトは成功するでしょう。
まとめ
プロジェクトを成功させるには
・意見を出し合える環境づくりを
・タイプを分析する
・記憶より記録を大切に
・強引で且つ、フォローは個人的に
・個人差はチームで埋める
・競争するより協力する
・背中を見せること