スキンシップを通じて子供の心理を上手に読み解く方法

スキンシップを通じて子供の心理を上手に読み解く方法

子育てしていく上でスキンシップがとても重要であると言う事は、いわば一般常識として皆さんの知識の中にはあるでしょう。しかしながら、何故、子供にとってスキンシップが必要なのかを、改めて考えた経験は、案外、少ないのではないでしょうか?

成長し、難しい年頃になった子供に対して「やはりスキンシップは必要なんだ」などと、いきなり触れたりしたら「キモい!」「触んなよ!」なんて、かえって壁を作られ逆効果となるケースもあります。

ですから、小さい頃から子供とのコミュニケーションの一つとして、日頃からの自然な形でのスキンシップを実践しておくことが大切なのです。

では、実際に子供の心理を探る為の効果的なスキンシップとは、どんな物なのか、「スキンシップを通じて子供の心理を上手に読み解く方法」をご紹介しましょう。

 


スキンシップを通じて
子供の心理を上手に読み解く方法

 

スキンシップの効果は?

母親からの優しいスキンシップを充分に受けた赤ちゃんは、安らぎを感じるホルモン、「オキシトシン」が脳から分泌され、情緒が安定すると言われています。

スキンシップを沢山受けて育つと、愛情が深まったり、社会性が身に付いたり、IQが高くなったり、ストレス耐性が上がるなど、様々な効果が見られると言われているのです。

故に、スキンシップは子供にとって必要だと考えられているのです。

 

添い寝の効果は?

ある研究結果では、母親と赤ん坊が同じ布団やベッドで寝る、つまり、添い寝をすると両者の睡眠や覚醒のリズムが次第に似てくるとされています。

例えば、アメリカの「睡眠研究所」の調査結果では、母親に添い寝されていた赤ちゃんは、夢を見る睡眠反応を含めて、睡眠と覚醒のリズムの8割がたが母親と一致していたとの報告があります。

同じタイミングで深い眠りに入り、また、夢を見るのも覚醒反応もほとんど同時に出現すると言う事です。しかし、母子別室にしてみると、それらすべてがバラバラになると言う事で、そのメカニズムは母子が接触する肌を通して何らかのやりとりがなされているのではないかと考えられているのです。

欧米では、添い寝による圧死や母親の睡眠不足を懸念し、添い寝はよくないといされていますが、見方を変えると、添い寝はとても優れたスキンシップだという意見があるのです。

何故なら、添い寝をしていれば、赤ちゃんの状態をいち早く察知できるという利点があるからです。母親が常に赤ちゃんと肌を接していれば、赤ちゃんの微妙な変化に気付きやすくなります。

特に、睡眠中に多発する乳幼児突然死症候群を予知する効果も、添い寝していれば格段に高いと言われているのです。

 

温もりを感じる効果は?

人は温もりを持つ存在と触れあうことで、一定の心理的安定性を構築すると言われます。また、スキンシップをする事よって作られた安定した精神が、好奇心や探究心を育てる為に大きく影響するのです。

つまり、心理的・精神的成長には「皮膚感覚の接触(=スキンシップ)」が何よりも重要であり、人類にとって、スキンシップを求める行動自体、赤ちゃんの時から染み付いている必要不可欠な行為と言える訳です。

アメリカの心理学者ワトソンの「触れない育児法」や心理学者プレスコットの「科学的育児法」で育った子供たちは、極端にスキンシップを排除された為、後に、日常的に不安を抱え、抑うつ傾向にあり、また、人間関係のトラブルなどを引きこしやすい傾向にあったと言われているのです。

つまり、スキンシップにより、親と子の温もりを共有する事で、安定的な精神状態を保てる、つまり、お互いの穏やかな関係が保たれると言う事でしょう。

 

恐怖の克服に役立ちます

人は本来、他人に対し、恐怖や不安を感じる様に出来ていると言われます。と言う事は、他者や外界は自分にとって「敵」であると感じる気持ち、それが人としての自然であるのだという訳です。

しかし、幼少期の母親をはじめとする周囲の人達とのスキンシップを通して、そんな恐怖を克服していくのだと考えられているのです。また、人間としての情感を養うのにスキンシップは欠かせません。子供はスキンシップを通じて、他者との協調性やコミュニケーションを習得するのです。

スキンシップにより克服した恐怖心が、情感となり、自分以外の人とのスキンシップの中には、自分の感情を伝え、又、相手の感情を受け取るという役割になるのだということですね。

 

スキンシップ不足が引き起こす「ひきこもり」?

ひきこもりの原因を幼少期の「スキンシップ不足」にあると指摘する声も少なくはないのです。

その根拠は、独裁で悪名高いポーランドのチャウシェスク政権は、“産めよ・育てよ”政策を実行しました。その結果、町に孤児が溢れ、その対応として孤児収容所が作られたのです。

そこでは、栄養も運動も科学的に管理され、生命に関わる問題は一切なかったはずなのにも関わらず、残念な事に、子供達は、問題行動が見られたり、次々と死んでしまったりしたそうです。

つまり、人は栄養さえあれば生きていけるという訳ではないという事が立証された出来事でした。どんなに栄養や運動を十分与えても、極端な愛情不足は、精神や生命まで危険にさらすのです。

おそらく、その場にいた子供達とスキンシップを持とうとしなかった多くの大人達は、子供達のそんな危険な状態にもギリギリまで気付く事はなかったのでしょう。

 

スキンシップと溺愛の違い

人の成長にスキンシップが、とても重要な物であることはおわかりになったでしょうが、だからといって、全て物事には限度や程があるという事も忘れないで欲しいのです。

成長した子供を、子離れ出来ない母親がいつまでも溺愛している様では、問題があります。その一つの例として、異性への関心が低くなってしまう傾向が指摘されます。「マザコン」と表現される事も多いでしょう。

また、そのスキンシップの対象が母親のみであれば、様々な問題を引き起こす原因になると言われているのです。子供は、出来る限り、多くの人からの愛情やスキンシップを受け、心が満たされた状態で育つ事が大切なのです。

 

「自立」を促す為のスキンシップ

愛情は足りな過ぎも、多過ぎてもダメなのです。つまり、スキンシップも少な過ぎるのも、触れ過ぎるのもダメと言う事です。万事は偏ってはならず、バランスが大切なのです。適度を知り、それを守る事が大切なのです。

スキンシップを大切にしている人に「あまり、子供にベタベタしていると、子供は親離れ出来なくなる」と心配する人もいますが、わがままを聞いて甘やかすのではなく、愛情をかけて、必要な時に充分甘えさてあげる事で、子供の心が満たされ、子供自身の「自立」を促す事に繋がると言うのです。

子供は、周囲の大人達が自分に対し、常に充分な愛情を注いでくれているという実感や安心感さえあれば、自主的に親から離れ、一歩踏み出す勇気をもち、 少しずつ自立しようという気持ちも芽生えるものなのです。

 

いかがですか。以上が、「スキンシップを通じて子供の心理を上手に読み解く方法」です。子供と触れ合うには、当然の事ながら、お互いの理解と信頼がなければいけません。

心を許した相手にしか、触れさせてくれないというのは、人類はもとより、地球上に生きる全ての生物に言える事なのです。

そして、それが、親の愛として、また、心の繋がりとして、子供に伝わらなければ、子供も心を開き、全てを曝け出してなどくれないのです。親なんだから、子供なんだから何も言わなくたって気持ちは伝わる!なんてことは、ほとんどの場合ありません。

子供の本当の気持ちを知り、的確な助けやアドバイスが出来る親になる事が、大人の役割だと考えましょう。

 


まとめ


スキンシップを通じて子供の心理を上手に読み解く方法

・スキンシップの効果は?
・添い寝の効果は?
・温もりを感じる効果は?
・恐怖の克服に役立ちます
・スキンシップ不足が引き起こす「ひきこもり」?
・スキンシップと溺愛の違い
・「自立」を促す為のスキンシップ


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