退職を決めたのであれば、一刻も早く気持ちを楽にするため周囲とのかかわりを次々に処理していきたいところですね。ですが、辞めるからとって、雑なやり方で今の人間関係や仕事の状況を壊してしまうと、次のステップの自分にも悪影響になってしまいます。
退職する当日までは、今の職場の人間として上手くやっていくことをオススメします。そのために、退職を決意してから会社に伝えるまでの準備や、退職の挨拶について、多少面倒であっても、計画的にすすめるようにしましょう。
もちろん、次の仕事への自分の準備も忘れてはいけませんが、今の職場での経験が次に繋がっているからこそ、退職が決意できたのではないでしょうか。一つ一つの経験を大切にして将来の自分に役立てる為には、少しの努力の積み重ねが大切。前向きになるためにもしっかりとした手順で気持ちよく退職できるようにしましょう。ここでは、退職を会社に伝えるまでの準備と挨拶の仕方をお伝えします。
退職を会社に伝えるまでの準備と
挨拶の仕方
自分の仕事の整理とマニュアル化は忘れずに
退職するかを悩んでいる時期からおこないたいことは、自分の仕事について、具体的に整理したりマニュアルを作ること。
自分の仕事を客観的に見つめることにより、次のステップのヒントにもなりますし、退職する際に周囲に迷惑をかけることを極力減らしてくれ、良い関係を作った上での退職になります。不満の多い職場であれば「あいつだけ先に抜けやがった」など、無駄に恨みをかうこともなくはありません。
自分が担当していた業務にも、人にはわからないコツや遣り方があったりしますので、それは後任に託すつもりで与えてあげると、退職で不安な自分の心にも余裕が生まれます。
退職後も仲良くしたいような、必要な人間関係は強化しておく
今の仕事を退職したからといって、全てが切れてしまうわけではありません。自分にとって有益な人間関係は、退職の前から少しずつ強化していき、退職後も気軽に連絡がとりあえるようにしておくことをおすすめします。
同じ職場にいるうちに、連絡先を交換したり、社内行事を通じで声をかけるようにしたりなど、事前に布石を打っておけば、いざ仕事を離れた時に良い関係が築け、生涯に渡り良い友達になれることもあります。
退職後、戻ってくることも考えた行動をとる
アルバイトでも仕事でも、一度辞めた人が出戻りすることが珍しくなくなってきている現代。一旦職場を離れても様々な事情や離れたことで理解できた前職の良さなどを実感して戻る社員を受け入れてくれる土壌も企業側に育ちつつあります。
退職する前の準備として、出戻る可能性も捨てないようにしておきましょう。次のステップに行ったときの保険にもなりますし、退職後も別の会社で経験を積んでいるというメリットにもなりえます。投げやりな気持ちは封印し、紳士的な行動で過ごしましょう。
退職のお知らせはトップダウン方式で
退職の気持ちが固まると、業務で関わる相手や身近な存在につい先に話そうとしてしまいますが、ここは要注意。どんなに親しい間柄でも、仕事が絡む関係であれば退職のお知らせは上司から順番にしていかなくてはいけません。
「自分が抜けたら業務で迷惑がかかるかも」と思っても、その業務を管理するのは上司の役割。人が抜けるのなら適正なオペレーションをする責任が上司にはあります。まず第一は直属の上司に相談し、その場で身近な人々への周知についても相談しておきましょう。上司にも上司の考えがあるので、この順序を壊してしまうと退職までに面倒なことになりかねません。
どのような理由でも職場に対する不満は2割程度で
退職の意を伝えるのに、職場に感じていた不満を話すかどうかですが、これはあまり言わないほうがよいでしょう。
もちろん、聞かれなければ心に納めておいても良いですが、もうあなたは離れる人間です。ここで自分が伝えないと、この職場が一向に改善しないと考えたとしても、職場での問題は殆どの場合、上の人々も気がついているもの。解決するのが面倒だったり、必要性を感じないからと事の重大さを見ずに現状が維持されているのです。
自分が運営しているわけでもないのであれば、退職する直前に首を突っ込むべきではありません。
去ることはハッキリと伝えつつ、前向きな言葉で挨拶を
さて、いよいよ退職の意を伝える本題となりますが。退職までのいきさつはできるだけポジティブに。
前項にもあるように、ネガティブな印象は与えず、前向きな言葉を使いながら、職場を去るということだけはハッキリ伝えましょう。ここでうやむやにしてしまうと、会社の都合で去る時期などのタイミングをずらされたり、ずるずると居残ることになってしまいます。
職場に対して不満や思うところはありますが、とりあえずは水に流して。もう別世界の人間であると心に決め、言葉少なく、会話は事務的に済ませましょう。
個別のフォローも忘れずに
職場に退職の意を伝えたのであれば、気分的には自由の身ですね。挨拶をしたからと翌日から関係の無い世界と態度をかえてしまうのではなく、今までお世話になった周囲にはフォローも忘れずにしておけば、最後の日まで気持ちよく仕事ができるでしょう。
辞めるまでには、それぞれがどんな働きをしていたかを見ておいて、個別の挨拶には良かった点を添えてあげましょう。どんな人にも長所はあるもの。気持ちがフリーになった今だからこそ冷静な目でそれぞれの長所を見つけることができれば、退職を機に人間的な成長もできます。
辞めていくというのは、どうも後ろめたい感じがしたり、罪悪感や相手を否定する気持ちなど、ネガティブな気分になりやすいもの。行動としては次のステップに進む前向きな折り返し地点であるにも関わらず、退職の意思を伝えてから実際に辞めるまでの職場での居心地はあまりよく感じられないでしょう。
とはいえ、退職を決めてしまったのであれば、その気持ちも辞める日までの一時的なもの。退職してからは別の自分としてイキイキと活躍する日々が待っているのです。いつまでも後ろ向きな感情に占領されていては勿体ありません。
退職すること自体について、「みんなどう思っているのだろう」と不安な気持ちは考えても無駄です。周囲は聞いても本音は言わないかもしれませんし、必要以上に関わりを持っては妬みや嫉みの対象になることもあります。
あまり神経質にならず、落ち着いて退職の日を迎えるために冷静な準備と働きかけが必要ですね。
まとめ
退職を会社に伝えるまでの準備と挨拶の仕方
・自分の仕事の整理とマニュアル化は忘れずに
・退職後も仲良くしたいような、必要な人間関係は強化しておく
・退職後、戻ってくることも考えた行動をとる
・退職のお知らせはトップダウン方式で
・どのような理由でも職場に対する不満は2割程度で
・去ることはハッキリと伝えつつ、前向きな言葉で挨拶を
・個別のフォローも忘れずに